令和7年3月1日(土)長崎大学文教キャンパス長崎創楽堂で、パスポートコンサートVOL.5を開催しました。長崎大学パスポートの今年度最後のイベント!今回のコンサートは、レクチャーコンサートでした。題して『プロが教えるクラシック音楽の楽しみ』モーツァルトにスポットをあて、モーツァルトの生涯や名曲について学びました。講師は、長崎OMURA室内合奏団のみなさんです。どんなコンサートになったのでしょうか⁉その様子をお伝えします。
池田さんの軽快な語りでコンサートがスタート!「モーツァルトって知ってますか?」の質問に、会場の「知ってるー!音楽室の壁に写真が貼ってある―!」「モーツァルトの正式な名前はウォルフガング・アマデウス・モーツァルトです!」という反応に、長崎OMURA室内合奏団のみなさんもびっくり!!
1曲目「アイネ・クライネ・ナハトムジークより 第1楽章」
まず、モーツアルトについての紹介がありました。彼は今から250年前の作曲家で、小さい頃から「神童」と呼ばれていたこと、6歳からヨーロッパを巡る演奏旅行へ行っていたこと、35年の人生で作曲した曲は900曲近く・・・など、初めて聞く話がたくさんありました。
次は楽器の紹介。
まずファゴットについて。なかなか実物を見る機会はないので、みなさん興味津々です。
ファゴットは何の木でできているでしょう?さすがに誰も知りませんでした。カエデの木でできているそうです。
ファゴットの池田祐希さん
長さは135cm、重さは約5kg 大きな管楽器です
次の楽器はチェロ。チェロは、弦を弓でこすって演奏する弦楽器で、床にエンドピンという棒をさして楽器を支えていて、エンドピンで椅子や背の高さに合わせます。バイオリンより低い音が出て、人の声に近い高さの音が出るそうです。「ケースが結構高いんですよ~。後ろのケースは〇〇円です。」という説明に「えー!高い!!」と驚きの声があがっていました。
チェロの下田直子さん
弓についてはみんなはもうよく知ってるよね~
2曲目「ファゴットとチェロのためのソナタより 第3楽章」
ファゴットの魅力がよくわかる曲でした
次の楽器は、フルートです。
「フルートは金属でできているのに木管楽器です。今日私が持ってきたフルートは14金でできています。」と永留さんが言うと「ひぇー!14金!!」とみんなの驚きの声!「人間と同じようにフルートにも性格があって、今日はファゴットやチェロの柔らかい音と金のフルートの方が音が合うかなぁと思って金のフルートを持ってきました。」というお話に、会場のみなさんは深くうなずいていました。金や銀でできているのになぜ管楽器か?昔は木でできていたので、木管楽器なんだそうです。
フルートの永留結花さん
フルートは3つに分かれるんですよ―
3曲目「アンダンテ ハ長調」フルートの魅力たっぷりの曲でした。
4曲目「鏡の二重奏」この曲は冗談好きのモーツアルトがつくったおもしろい曲。楽譜を逆さにしても楽譜になる⁉初めと終わりからと同時に演奏をして、一緒に演奏が終わる!そして曲になっている!さすが「神童」といわれたモーツアルト!フルートが初めから、チェロが終わりから演奏しました。
とっても不思議な曲です
五線譜の最初と最後にト音記号!
演奏がピッタリ同時に終了!
5曲目「きらきら星変奏曲」『変奏曲』とはテーマとなる曲をどんどん華やかに変えて演奏すること。「『きらきら星』を①テーマ②フルート③チェロ④ピアノ⑤短調(ちょっと悲しげ)⑥フィナーレ(華やかになって終了)の順で演奏しますからよく聞いてね!」と言われて、じーっと聞いていると、今まで聞いていた「きらきら星」とは全然違いました!音楽っておもしろいなぁと思いました。
最後の楽器はピアノです。「ピアノは一番身近な楽器ではないでしょうか?学校にもありますから、みんな見たことありますよね。モーツァルトの時代のピアノは鍵盤の数が少なかったのですが、時代とともに鍵盤の数が増えていきます。モーツァルトの曲を弾くと高い音を出す鍵盤は使いません。」なるほど。持ちはこびできるピアノの話、なぜピアノが大きくなったのかの話。どれも興味深いお話でした。
6曲目「トルコ行進曲(ジャズ版)」圧巻の演奏でした!「なかなか安部まりあさんのトルコ行進曲を生では聴けないですよ~。みなさんラッキーです!」と池田さんが言われましたが、本当に素晴らしい演奏でした。
圧巻のトルコ行進曲でした!
ピアノについての説明 とてもよくわかりました
7曲目「アウ”ェ・ウ”ェルム・コルプス」モーツアルトが亡くなる半年前に、お世話になった人たちに感謝の気持ちを込めて作った曲だそうです。穏やかな気持ちになる、とても美しい曲でした。
質問コーナー 短い時間でしたがいろいろな質問が出ました。ペダルの踏み方のタイミングの質問には、安部さんから丁寧な説明がありました。また、モーツァルトのいたずら好きのエピソードはたくさんあるそうです。インターネットで調べたらいろいろありましたよ!
会場からの質問に思案中・・・
会場のみなさんは、真剣に聴いていました。
8曲目「春の小川」(作曲:岡野貞一)ピアノ・フルート・チェロの演奏で、とっても美しい音色でした。春がそこまできているなぁという気持ちになりました。
9曲目「やさしさに包まれたなら(魔女の宅急便より)」(作曲:荒井由実)みなさんおなじみの曲。とても軽快なメロディで、会場のみなさんは楽しそうに体を揺らしながら聴いていました。
アンコール曲 「花は咲く」(作曲:菅野よう子)東日本大震災の復興支援のテーマソングとしてつくられた曲です。池田さんから、「今ある当たり前が当たり前ではないことが長く続き、音楽を楽しむことが自信をもってできないことがありました。最後の曲は、みなさんの大事な人を思い浮かべながら聴いてください。」とのコメント。みなさん、とてもいい表情で聴いていました。
【演奏曲目】
・アイネ・クライネ・ナハトムジークより 第1楽章
・ファゴットとチェロのためのソナタより 第3楽章
・アンダンテ ハ長調
・鏡の二重奏
・きらきら星変奏曲より
・トルコ行進曲(ジャズ版)
・アウ”ェ・ウ”ェルム・コルプス
・春の小川
・やさしさに包まれたなら
・花は咲く(アンコール)
【感想から】
・きれいな演奏と面白い講義のバランスがよくて、とてもよかったと思います。
・子供も親も落ち着いてコンサートを聴くことが出来ました。 コンサートで学んだ楽器のこと、作曲家のことなど、帰宅してからも楽しそうに話をしてくれました。とても良かったです。 次回も参加したいです。
・いろいろな曲を聴けたり楽器について詳しく知ることができ、とてもいいコンサートだと思いました。
・今後も今回のように、低学年対象や高学年対象のように対象を分けたコンサートだと嬉しいです。
・今回のモーツァルトのように、作曲家シリーズを続けてほしいです。
長崎大学パスポート会員のみなさん、1年間ありがとうございました❣また、たくさんの方にパスポート事業へ参加いただき、ありがとうございました!!来年度もわくわくする企画をたくさん計画しますので、是非ホームページでチェックして、ご参加ください!